心の苦しさを解決する方法
心の苦しさを解決しようとする時、苦しさの原因を自分自身の心や様々な出来事・状況に求めて、それを解決しようとすることが多いと思います。
確かに、原因を考えて対処するという方法もあるのですが、『考える』以外の対処でも心の苦しさは解決できるという結論に至りました。
考えない方が、心の苦しさを簡単に解決することができるとさえ言えるところがあると考えています。
【このコンテンツの目的】
- 『考える』以外の『心の苦しさを解消する方法』に関する仮説を紹介すること
- 『考える』以外の『心の苦しさを解消する方法』に関わる情報を収集すること
- 収集した情報を共有すること
- それらの方法の有効性を検証すること
※ 情報収集や検証のためのフォーラムは、別途設置する予定にしています。
【注意】
ここでご紹介する情報は、カウンセリングや催眠療法の実践によって導き出されたものですが、仮説の域を出るものではありません。
また、その効果などを保証するものではありません。
情報を活用される場合は、各自の責任において行って下さい。
このような結論に至った理屈は、他のコンテンツをご参照頂くか、当サイトから出版した書籍『あなたにもある心を回復する機能』を参考にして下さい。
心の苦しさを解決するための目標は3つ
- 良い呼吸法の習慣を身につける <= このページで説明します
- 自分の生まれ育った事情を理解し、自分自身を受容する ※当コンテンツ本編中で説明します。
- 規則正しい生活、バランスの取れた食生活 ※当コンテンツ本編中で説明します。
では、1番目の呼吸について少し説明していきます
呼吸
肉体的な疾患が無いのに、「心の苦しさ」のように感じてしまう「胸部の不快感」を感じているとしたら、少しの間、意識して深めに呼吸をしてみて下さい。
どうです?
少し、楽になったのではありませんか?
もし、楽になったのだとしたら、心の苦しさの1つの正体は、呼吸が浅いために、酸欠状態になり、その時感じる息苦しさを、『心の苦しさ』と解釈してしまっていることと考えられます。
(※関連することを、学習が現在の動作に現れる( 私の理解した心の全て )で説明しています。)
心の苦しさの解決には、まず、良い呼吸法を習慣にすることが大切です。
良い呼吸法の習慣を身につける
自分で呼吸を意識するだけでも、随分と変わってくるとは思いますが、独りよがりにならないように、専門家の説明も参考にした方が良いと思います。
補助的に酸素を補う
これは補助的な方法で、最終的には、良い呼吸法の習慣を身につけることです。
特にオススメするということではなく、私の経験を説明します。
試してみましたが、私は、かなり楽になります。
酸素を補給する方法としては、次の3つが考えられます。
- 酸素バーや酸素カプセルのお店を訪れる
- 酸素を補える商品を購入する
- (もしかしたら、森林浴にも、そんな効果があるかもしれません)
酸素カプセルは、酸素カプセル専門の店の他に、整体・カイロなどの店舗でも設置していることが多いようです。
「酸素カプセルに行ってみようか」と思ったら、まずは、身近な整体などの店舗に確認すると良いと思います。
一番お手軽なのは、携帯酸素。激しいスポーツの後、酸素補給をする「あれ」です。
薬局などでも売っているのですが、直ぐになくなってしまいます。(多くは、5リットルの酸素が入っているタイプで、連続で噴射すると120秒程度でなくなります。)
ちょくちょ酸素を活用しようとすると、部屋が空きカンだらけになってしまいます。
他にも色々あるので、次のページで確認できます。
長期的に酸素補給を考える場合は、次のリンクを参考にして下さい。
※安いものは酸素を発生させるための材料を必要とするものがほとんどです。また、オゾン発生器や除菌イオン発生器などは、ここで説明する目的と少し違います。 ただ、良い呼吸法を身につけるまでの補助と考えると、酸素発生器までは必要ないのかと思います。
オキシトシン
穏やかな気分になりました。
もう少し詳しいことは、先日、NHKスペシャルで知ったオキシトシン|読むカウンセリング で紹介していますので、そちらも参考にしてみて下さい。
心の苦しさに関する考え方
このように認識することによって、対処の方向性が、心の問題に対処するということから、胸部の不快感に対処するということに変ります。
この認識によって、『考える』という行為以外でも対応できる可能性が生まれてきます。
その辺りのことは、各自で対応して頂いているという前提とします。
心が苦しいと感じるとき
- 胸部の不快感をあまり意識していない場合
- 頭で悩んでいるように感じている場合
でも、意識を胸部に向ければ、同じような感覚があることに気づくと思います。
【慢性的な不快】
余談になりますが、慢性的な不快感は、心理的にとても苦痛なものです。
例えば、蚊に刺されたら、しばらくの間、痒みからのがれることができません。慢性的な肩こりや歯痛・頭痛なども同じです。
それらの不快を感じているのと、胸部に不快を感じているのは、恐らく、心理的には同じような影響を与えるのだろうと思います。
つまり、『心が苦しい』ということは、『歯痛で機嫌が悪くなっている状態』に近いという考え方もできるのではないかということです。
胸部の不快感に対処する方法
心の苦しさを『胸部の不快感』と認識したとき、その対処には次の3つの方向性が考えられます。
- 根本原因を考慮した対処
- 胸部の不快感としての対処
- 『やり残し感』としての対処
詳細は、個別のページにて説明します。
対処の方針
胸部に生じる不快感は、『1.根本原因を考慮した対処』が習慣的にできるようになれば、その都度排出できるので、解決できない心の苦しさを抱えこんでしまう状態には陥らずに済みます。
ですが、心に苦しさを抱え込んでしまう傾向のある人の過去には、『それをすれば、更につらい思いをしなければならなかった』というような事情が必ずあります。
ですから、そこを中心に据えて対処することは、そんなつらい思いを繰り返してしまいそうな感じがしてしまうため、とても勇気がいることになります。
そこで、『1.根本原因を考慮した対処』を記憶にとどめつつ、その方法でを無理に対処しようとはせずに、まずは次の2つから取り組む方がやり易いと思います。
- 胸部の不快感としての対処
- 『やり残し感』としての対処
そして、「試しても良いかな・・・」と思えたときがあれば、『1.根本原因を考慮した対処』を試すことも考えてみると良いと思います。
根本原因を考慮した対処は、理屈としては簡単なことなのですが、実際に行うとなると難しいことが多いです。
それぞれの人には、これまで生きてくる中で、それを望みその望みを打ち砕かれるということが繰り返されてきた事情があるので、「それを望んでも、どうせまたその期待を裏切られるだろう」と感じてしまうからです。
それができない状況は、「やろうとしてもできない」というときもありますが、ほとんどの場合は、
- やっても仕方ない
- そんなことでは何も変わらない
- やっても無駄だ
といった思いが生じて、感覚的にはその気になれない・気持ちが萎えるといった形で現れます。
ですから、これから説明する内容は、知るというところに留めておいて、それをすることをあまり焦らない方が無難です。
もし、説明の内容を読んで、「自分の気持ちを話しても大丈夫だ」と思える人が、浮かぶようであれば、チャレンジしてみても良いかもしれません。
心の苦しさの種類
心の苦しさには次の2種類があります。
- 出来事や対象によって感じる苦しさ
- 『1.の苦しさ』を、ひとりで抱え込んで耐える苦しさ
『1.の苦しさ』は、全ての人に共通なもので、避けることはできません。
しかし、『2.の苦しさ』は、『1.の苦しさ』への対処の仕方によって随分違ってきます。
『1.の苦しさ』に適切に対処することで、『2.の苦しさ』はかなり軽減することができるのです。
また、『嫌な出来事が起こったからこそ、心が満たされる』という経験にさえつながる可能性を生むことにもなります。
そのような結果、『1.の苦しさ』からも解放されます。
くせものは『2.の苦しさ』です。
これにどのように対処するかがポイントになります。
心の苦しさの原因
心の苦しさ(胸部の不快感)の根本原因は、何らかの事情によって、次のように思い込んでしまったことです。
- 心の苦しさは容易には解決しないと思い込んでしまったこと
- 自分の気持ちを他人に話しても仕方ないと信じてしまったこと
- 泣いていても何も解決しないと信じてしまっていること
これらを信じてしまったことによって、感情を排泄せずにモヤモヤさせて放置してしまうことが習慣になり、胸部の不快感を慢性的に抱えることにつながるのです。
これが苦しさの原因です。
ですから、心の苦しさを解決する為に、もう原因を考える必要はありません。
次の『根本原因の解決』で説明することができるようになるだけで良いのです。
- そう信じ込んでしまうのが当然だと思える『自分の人生における事情』
を理解しようとすることです。
その理解には、少しコツがいります。
ピュアハート・カウンセリングのサイトで紹介している各種情報を参考にして下さい。
根本原因の解決
次のことを1回で構わないので、しっかりやれば、心の苦しさは解消します。
- 自分の素直な気持ちを人に話すこと
- 泣きたいときには、誰かに見守られながらしっかり泣くこと (途中で泣き止もうとせず、スッキリするまで泣き切る)
- 嬉しいときには、誰かとともに、しっかりと喜ぶこと
これを1回しっかりとやれば、『心の苦しさは容易に解決する』という事実を知ることにつながります。
これを知っているか、知らないかが、人生を左右するのです。 知っているということは、これらのことを習慣化することにつながります。
そして、その習慣が、これから先、どんなに心がつらくなるようなことがあっても、心を回復することを実現します。
つまり、苦しみ続ける人生とは決別することになるのです。
また、他人に話して聴きいれてもらえたという経験によって、胸部の不快感の原因の対象から、気持ちを我慢していることに関連する事項が除外されます。
その結果、『胸部の不快感としての対処』や『「やり残し感」としての対処』の効果も大きくなることが期待されます。
簡単にいうと、一般的なストレスへの対処法で、ストレスが解消されやすくなるということです。
コツ
これをやるためには、まず、自己の感覚や感情を受容する必要があります。
例えば、次のようなことを自分に言って、その気持ちに至る事情を理解しようとします。
- やる気が起きないときは、「そりゃ、やる気も起きないよね」
- 疲れたときは、「そりゃ、疲れるよね」
- つらいときは、「そりゃ、つらい気持ちになるよね」
- 嬉しいときは、「良かったね」
- 悲しいときは、「そりゃ、悲しくなるよね」
そして、他の人と話するのは、次のことを実現する為なのです。
- それを自分自身に言ってあげる
- それを他の人から言ってもらう
しかし、これまで分かってもらおうとして努力してきたけれども分かってもらえなかったとしたら、これからも分かってくれない人である可能性は高いです。
分かってもらいたい人が、分かってくれる人であることは、最も望ましいことです。
しかし、分かってもらいたいと思っている人が、自分にとっての『本当に分かって欲しい人』なのかというと、そうではない場合があります。
その人は本当に分かってもらいたいというよりは、その人に分かってもらわなければならなかったという環境的な問題の為に、その人に分かってもらうことに無意識にこだわっていることも多いのです。
一度、分かってくれる人に話して、分かってもらうという経験をすることは大切です。
そこで、「分かってもらった」という経験をすることが、「分かって欲しい人には、人の気持ちを受け入れる能力がなかった」という現実を受け入れ、分かってもらえる人に分かってもらおうとすることに意識が向かうことを助けてくれると思います。
また、『価値観が同じ人』よりは、『価値観が異なっているけど感情を理解してくれる人』を話し相手として選ぶ方が、良いと思います。
心が苦しくなりやすい人は、誰かに側にいてもらって泣くことが苦手なことがほとんどです。
ですから、泣く練習は大切かもしれません。 身近な人の胸を借りて、泣く練習をしてみるのも一つの方法です。
一人でやってはいけません。
「泣く練習に付き合って欲しい」といって、誰かに協力してもらって下さい。
遊び感覚でやっても良いと思います。
悩みの相談や深い話などは一切必要ありません。
何も話さず、ただ『泣く練習』をすれば良いのです。
泣けたら、「そうかそうか」と良いながら、手のひらで背中をトントンと優しくたたいてもらうと、気持ちが次第に楽になっていきます。
『そうかそうかムーブメント』のページも参考にしてみて下さい。
胸部の不快感としての対処
『苦しさの根本原因を対処する』で説明しましたが、本当の意味での心の苦しさの対処方法は
- 本当の感情に気付いて、そんな気持ちを素直に話し、それをしっかりと聴いてもらう
- 泣きたいときは、誰かに側にいてもらって、スッキリするまで泣く
です。
これで、心は楽になります。
しかし、慣れないことをいきなりやろうとするのは難しいと思いますので、ここでは、それ以外の方法を説明します。
胸部の不快感に対処する方法には、次の方法が考えられます。
- 不快感の原因を錯誤させる
- 胸部の不快感へ集中した意識を分散化する
- 胸部の不快感への意識集中を解く
- 他の感覚に意識を向ける
- 穏やかな感覚の想起
- 他のことに意識を集中させる
- 不快感よりも強い快感を生じさせる
次に、それぞれの項目毎に説明していきます。
不快感の原因を錯誤させる
これは、胸部の不快感の原因と認識できることを作ることで、不快感に関する認識が、心の苦しさという位置づけから解放され、気持ちが楽になるという方法です。
【例】
- 深呼吸する
- 胸の心があると感じるところ(よく分からない場合は、みぞおちの辺り)に手のひらを当てる
- 胸の心があると感じるところに、シップを貼る
- 飲食する
- 暖かい飲み物を飲む
- 冷たい飲み物を飲む
- 炭酸飲料を飲む
- アイスクリームや冷たいゼリーなどを食べる 個人的には、これが結構気に入っています
- 辛いものなどの刺激物を食べる (消化器に強い刺激を与える)
- ハッカ・メンソール系のもの(フリスクやガムなど)を口にする (これは、呼吸器と消化器の両方に強い刺激を与える)
胸部の不快感へ集中した意識を分散する
私たちは、普段は意識していませんが、実に多くの感覚に包まれている存在です。
そんな多くの感覚の中、自分が行動するに当たって必要な感覚に意識を集中させている為、それ以外の感覚は認識できません。
足の裏が痒いと感じているときに、顔に心地良い風が当たっていることには、なかなか気づくことができません。
また、私たちは、胴体にとても重たい手足をぶら下げているのですが、そのことに意識が向かなくなっているので、催眠状態にでもならない限り、そのことには気付かないのです。
これは、意識集中によって起こっている状態です。
そして、心が苦しいと感じるときは、胸部の不快感に意識が集中しているのです。
ですから、体の様々な感覚に気づいていくことで、それが多くの感覚の一つとして位置づけられることで、胸部の苦しさへの意識集中から解放され、心が苦しくない状態に導くことができます。
【例】
- リラクゼーション
- アロマ、アロマテラピー
- 全身のマッサージ
- 自律訓練法 第一公式、第二公式くらいのところまでの実施で十分です。
【参考】自律訓練法 - 風呂に入る 少し熱めのお湯にして
- 瞑想する
胸部の不快感への意識集中を解く
気分が良くなりそうな、軽い行動をします。
自分を良い気分にさせたり、ゆったりとさせたりするような刺激を受けて、そこに意識を向けることで、胸部への意識の集中を解きます。
【例】
- 音楽を聴く
- 良い香りを嗅ぐ
- 体を動かす
- 風呂にのんびり入る
- おいしいものを食べる
- 綺麗なものを見る
- ウインドウショッピングをする
- 写真の多い雑誌を見る
- きれいな風景を眺める
- 過去に経験した穏やかな気分も想起させる
- 散歩する
他の感覚に意識を向ける
胸部から離れた部分の感覚を感じることで、意識の中心を胸部から他の部分に移動させ、胸部の苦しい感覚から解放されます。
【例】
- 部分的なマッサージ
- 手の指や手のひらのマッサージ
- 脚の指や足裏のマッサージ
- 肩の凝りをほぐす
- ストレッチ
マメに手足のマッサージをするようにすると良いと思います。
家族の方が、マッサージをしてあげることも良いと思います。
これは刺激という意味合いもありますが、やっぱり、スキンシップが何よりの薬になるのだろうと思います。
感情の排出に近い行動をする
例えば、ため息をつくというのもこれに当たります。
ため息は無意識についてもあまり排出の効果がないため、何度も繰り返してしまうことになります。
もし、これを活用するとしたら、意識して深いため息をつくようにすると良いでしょう。
真剣にため息をつけば、1回でも結構楽になります。
自分のことではなかなか泣けない状態になっていても、ドラマや映画やビデオを観たり、小説や漫画などを読むと、泣けそうな感じになることは多いと思います。
そんなとき、涙をこらえるのではなく、ビデオや本のせいにして、オイオイと泣くと気持ちはかなりスッキリします。
誰かが側に居ても、『泣き上戸』ってことにしてしまいましょう。
【その他の例】
- たたく・蹴る 枕や座布団などのやわらかいものを、飛ばさないように注意しながら・・・
- 声を出す
- 歌う カラオケに行ったり・・・
- 叫ぶ 海で夕日に向かって叫んだり・・・ (胸の感覚と一体になるような感じで声を出すと効果的です。)
- 壊す 読み終わった古新聞をビリビリに破いたり・・・
他のことに意識を集中させる
何かに夢中になることで、意識を胸部の苦しさに意識が集中しなくなります。
【例】
- 趣味をもつ
- 作業に没頭する 写経などは、これに当たると思います。
不快感よりも強い快感を生じさせようとする
俗にいう『欲』を満たそうとする行動がこれに当たりますが、普段の生活の中で活用できそうなことはあまりありません。
(参考まで・・・)
【例】
- 性欲を満たす
- 出世欲・名誉欲・権力欲などを満たす
- 金銭欲などを満たす
- 優越感に浸る
これらの中で、即効性のありそうなことは性欲を満たす行動くらいで、それ以外は実現までにかなりの努力を要します。
また、それを実現したとしても、それが、果たして心の苦しさの解消につながるかどうかの保障もありません。
しかし、容易に快感を得られるようなことは、簡単には見つけることが出来ません。
というか、ないと言い切れると思います。
心が苦しい状況で、快感を感じるとしたら、不快感の放出によってしか得ることができません。
つまり、それ以外のことを行っても、『心の苦しさを解決する』ということにだけ限れば、徒労に終わることがほとんどだと思います。
また、それらの代わりに『スリルを味わう』といったような恐怖心を、その快感の代用とすることができます。
【例】
- ジェットコースターに乗る
- お化け屋敷にいく
- 車やバイクでスピードを出して運転する
- ホラー映画を見る
心の苦しさを、その時の状況によって、やり残し感として認識する場合があります。
そんな感覚への対処方法について説明します。
その方法は、とても簡単なことです。
何でも良いから、何かをするたびに「~した!」と心で思ったり、声に出して言ったりするようにすれば良いのです。
【例】
- 朝起きたら、「起きた!」
- ごはんを食べたら、「ごはんを食べた!」
- トイレに行ったら、「トイレに行った!」
- 服を着替えたら、「服を着替えた!」
- 電話で用事を済ませたら、「用事が済んだ!」
- 電話をして相手が不在でも、「電話をした!」
- 資料ができたら、「資料ができた!」
行動そのものだけを見れば良いのです。
これを行うことによって、胸部の不快を排出して小さな達成感を感じることができます。
これを習慣的に行うことによって、次のような変化が起こります。
- やり残し感が残り難くなる
- 自分ができていることに気づくことができるようになる
2.は、苦しい中でも自分が頑張っていることを認めることにつながり、その気付きは頑張っている自分に休息を与える動機付けになります。
そして、休息を必要としているときに、ゆっくり休むことを助けてくれます。
胸部に感じる不快は、次に挙げる例をはじめとして、様々な違った感覚のように認識されます。
【例】
- やり残し感
- やってはいけないような感じ
- 心の苦しさ
- 不満感
しかし、違った感覚のように思えるそれらの感覚は、もともとはどれも同じ胸部の不快感だと考えています。
ところが、人は、その時々の状況によって、その不快感に様々な意味づけを行うので、違った感覚のように認識してしまうのです。
恐らく、うつ状態のときは、胸部の不快感を、
- 目の前のことによって生じる心の苦しさ
として認識して、目の前のことに取り組むことが困難になり、それでもそれに取り組もうと頑張った結果、心身がくたびれて動けなくなってしまうのだろうと思います。
そして、休息を取ろうとすると、同じ胸部の不快感を、何もしていないという自分の状況を加味した結果、
- 何かしなければならないような感じ
として認識してしまい、ゆっくり休めなくなってしまう。
そんな、板ばさみの状態で、身動きが取れなくなってしまった状態ではないかと考えています。
心の苦しさへの対処手順
『心の苦しさに関する考え方』で説明したことを、どのように活用すれば良いかについて説明します。
ベースを作る
まず、胸部の苦しさを和らげるための生活のベースを作ります。
このベースを作るだけでも、気分は変り始めます。
ここを習慣にすれば、気分は随分と楽になるはずです。
トッピングする
次に、時と場合に合わせて、『心の苦しさに関する考え方』で説明したことで、活用できそうな事を、生活の中にトッピングしていきます(ちりばめていきます)。
先を急がずに、『ベースを作る』に、ゆっくり取り組んでください。
人が苦手なこと
人は、何もしていないと思うことが苦手な生き物です。
『心が苦しい』と感じているときには、何もしていないと思うことが、特に苦手な状態になっていることが多いです。
「何もしないこと」への対処方法
そんなときは、努力を必要としないけど「何かをしている」と思えることをすることで、休息を取りやすい状況を作ることができます。
【例】
- 音楽を聴く (「音楽鑑賞」などと呼んでみると良いと思います。)
- 良い香りを嗅ぐ (花の匂いを嗅いだりすることだけでも、「趣味はアロマテラピー」ということにしてしまえば良いと思います)
- 散歩する (森林浴、バード・ウオッチング、山歩き、自然観察・・・などの意味づけをすると更に良いと思います。)
- 風呂にのんびり入る
一度、一日中ボーっと何もしないで過ごしながら、何もしないということがどれだけ苦手なのかを感じてみると良いと思います。
それが苦手だということを認識するだけでも、これまでに比べれば、休息を取りやすくなっているはずです。
人は何もしていないと、直ぐに、何かを深く考え始めてしまいます。
これが休息の妨げになってしまいます。
また、深く考えても、心の苦しさの解決につながることは、まずありません。
ですから、休息のときは、あまり深く考えないということをセットで考える必要があります。
人は、生きているうちは、何も考えない状態になることはできません。
にもかかわらず、考えないことを目指すと、方向が少しそれてしまいます。
考えようとすることが浮かんだら、それ以上深くは考えずに、放っておくことです。
コツとしては、自分の感覚に意識を向けると、深く考える状態に陥り難くなります。
その究極が、座禅や瞑想ということになるのだろうと思います。
もし、考えることから逃れることが難しいときは、
- 次に説明するトッピングで使えそうなことがらを考える (旅行のパンフレットを見たり、おいしい料理を出す店を紹介する雑誌を見たりするのも、そんな行動の一つになると思います。)
- 『心の苦しさの原因』で説明したようなことを思い込んでしまった背景を理解しようとする
と良いと思います。
枠組みのベース
呼吸
基本は、呼吸です。日常の生活の中で、マメに、2~3回の深呼吸をするようにします。
ですから、いつもより少しだけ深く呼吸するように意識すると良いと思われます。
身体への刺激
- 頭を回して首や肩のコリをほぐす。
- 手の指や手のひらを自分でマッサージする
胸部への刺激
呼吸と手足のへの刺激だけで、結構気持ちは落ち着くと思いますが、それでも足りないときは、次のような方法を試してみると良いかもしれません。
手のひらで、胸部の「心の苦しさ」を感じていると思われる部分を押さえます。
そして、
- 手が感じている胸の温度や接触する感覚
- 胸部が感じている手の温度や接触する感覚
を、はじめは交互に感じ、次第に、同時に意識するようにします。
そのうち、どっちがどっちの感覚か分からなくなってくると、心の苦しさをあまり感じない状態になっています。
その状態で、深呼吸を数回してみると、結構、気持ちが落ち着き、楽な状態になります。
楽な感覚を覚える
楽な状態になることができたら、しばらくの間、その状態の体の色々な部分の感覚を感じながら過ごしてみます。
これは、心が楽な状態とはどのような状態なのかを、体と意識に記憶することにつながります。
これによって、心を楽にする為の様々な行為を行ったときに、速やかにリラックス状態に陥ることを助けてくれます。
トッピングの仕方
そこに、
- 『胸部の不快感』としての対処
- 『やり残し感』としての対処
の説明を参考に、可能なタイミングで、そのとき可能なことを行うようにします。
ただ、ここはついでにできればすれば良いようなことで、これらに特にこだわる必要はありません。
『枠組みのベース』で説明したことが基本です。
念のために書いておきますが、ここでは難しいことをするのではなく、自分の心や体が喜びそうなことをするのです。
特にないときは、伸びをしたり、好きなものを食べたり、風呂にゆっくり入ったり、音楽を聴いたり、テレビや映画を見たり・・・、ということです。
当たり前のことですが、自分自身の体と心が喜びそうなことは、皆さん自身のほうがよくご存知のはずです。
スケジュールとして組み込めるものは、そのようにすると良いでしょう。
スケジュールに組み込むと行っても、大そうなことである必要ははありません。
【例】
- 朝布団から出る前に、伸びをする
- 一時間毎に深呼吸をする
- 休み時間は暖かい飲み物を飲む
- 給料日にはカラオケに行く
- 日曜日の夕食は少し贅沢をする
- 休み時間は冷たい飲み物を飲む
- 昼休みには、ちょっと散歩をする
- 帰りに喫茶店でお茶を飲む
- 1日のことがひと段落しのんびりとした時間に切り替わるタイミングで、アイスクリームを食べる
- 休みの日の昼に風呂に入る
- 風呂では歌を歌う
- 風呂上りには、ちょっとストレッチをしてみる
また、その時々に活用できると思ったことをやるようにしても構わないと思います。
チャンスを狙う
また、 『 根本原因を考慮した対処』を行うチャンスとがあれば、自分の気持ちのタイミングによっては、チャレンジしてみても良いかもしれません。
無理にする必要はありません。 「話したいなぁ~」と思えるタイミングが自然に訪れるまでは、無理をしない方が良いと思います。
そして、話すときでも、日常に感じたちょっとした気持ちを話せば十分だと思います。
無理に自分の秘密を暴露する必要などありません。
そんな積み重ねによって、ちょっとした時にちょっとした気持ちを気軽に話せるようになります。
そうなったとき、きっと、『解決できないと思っていた心の苦しみ』から解放されていることに気づくだろうと思います。
もし、飲むとしても、ちびちび飲んで、胸部の不快感をあまり感じなくなるところで、止めた方が良いと思います。
たぶん、酔う前にその状態は訪れているはずです。
依存行動からの回避方法
依存症の意味
依存症という言葉からは、
- 特定の行動をたびたび繰り返してしまうことから逃れられなくなった状態
という印象を受けてしまいます。
これは、もともとは『心の苦しさ』を解決しようとした結果に陥る状態です。
しかし、心を苦しさから解放する方法は、『胸部の不快感としての対処』を見て頂くと分かるように、実に多くのことがあり、一部の限られた行動でしか実現できない訳ではありません。
このことから考えると、依存症は、
- 時と場合によって様々な方法を選択できる可能性があるにもかかわらず、他の対処方法に気付かなくなって、一つの行動にとらわれてしまっている状態
ということもできます。
更に言うと、
- 依存症と呼ばれない人たちは、多種多様なことに依存している
ということもできます。
なぜ、一つの行動を繰り返してしまうのかというと
- 他の有効な対処方法を知らない
- 心理的な制約や心身の疲労によって、思考の狭められている
- 心理的な制約や心身の疲労によって、行動の対象が狭められている
- それが止められないことを苦しさの原因と仮定してしまった為に、逆に、その行為に意識が集中してしまって、他の行動を考えられなくなってしまった
- 過去の経験から、手っ取り早く行える『慣れた方法』が選ばれやすくなっている
依存行動からの回避方法
その行動が、他人にも危害を及ぼしたり迷惑をかけたりせず、また、自身の健康にも悪影響がなく、自分自身を大切しているものならば、無理にやめる必要はないかもしれません。
ただ、行動の範囲が狭まる為に、行動にバリエーションをもたせることは、大切なことだとは言えると思います。
依存行動から回避するための最終目標は、『根本原因を考慮した対処』ができるようになることなのですが、いきなり、それを実現することは難しいと思います。
このやっても良いこと一覧は、心の調子が良い時に、『心の苦しさに関する考え方』や『心の苦しさへの対処手順』の説明を参考にして、手帳などに書き出しておくと良いでしょう。
できるだけたくさんのことを考えておくことです。
例えば、『歌う』と言ってしまえば一つなのですが、
- 風呂で歌う
- カラオケで歌う
- 友達と歌う
- ひとりで歌う
- CDに合わせて歌う
- 海に向かって歌う
など、自分の生活環境に応じて、様々なバリエーションを持たせることができます。
また、例えば、『風呂は夜に入るもの』などという感覚にとらわれずに、天気の良い昼間に風呂に入るのも、結構良い気分になるものです。何かにとらわれずに自由に考えれば良いと思います。
分子整合精神医学
考え方
- ビタミン・ミネラルや糖分の不足は、精神的に悪影響を与える
- 逆に、ビタミン・ミネラルや糖分を上手く調整すれば、精神的状態は改善する
- 血液中の糖分濃度の急上昇は、その後の、糖分濃度の急激な低下による低血糖症を引き起こす。 この低血糖症が、気分を悪化させる
対処例
- 昔から言われている栄養のバランスを考えた食事を取る
- 低血糖症防止のために、玄米や五穀米などのようなもの、或いは、ライ麦パンなども取り入れるようにする (納豆や煮豆を食べるのも良いかもしれませんね。)
- 砂糖をあまりとらないようにする
- 雑穀米
- 玄米
- 玄米パン
- ライ麦パン
- 煮豆
関連情報
『分子整合精神医学』とは直接関係ありませんが、栄養について説明しているサイトをいくつかご紹介しておきます。
- Sugar Stacks – How Much Sugar Is in That?:(飲料や菓子の糖分に関する情報) http://www.sugarstacks.com/ ※お菓子やジュースを買うのが怖くなりました・・・・
『脳にいいことだけをやりなさい!』より
- 夜10時に寝る習慣は心の健康によい
- うつな気分のときは3日連続、夜10時に寝るとよい
- 水分は多くとる
「分子整合精神医学」を簡単に書くと、
- ビタミン・ミネラルや糖分の不足は、精神的に悪影響を与える
- 逆に、ビタミン・ミネラルや糖分を上手く調整すれば、精神的状態は改善する
といった考え方のようです。 これが全てだとは思っていませんが、結構、重要なことだと感じています。
本のご紹介
私が読みやすかった本をご紹介しておきます。
ビタミン・ミネラル・アミノ酸・糖分の不足と、陥りやすい精神症状との関係についても説明されています。
読みやすく、全体的な考え方が理解できます。
amazonの書評を見ると、一部酷評のようなものもあるようですが、専門家を目指すのでなければ、この本を読めば十分だと思います。
そして、本格的に取り組みたいという感触があったのなら、それ以上の情報を本から得ようとするのではなく、良さそうな専門医や専門家を探して相談した方が早く安全ではないかと思います。
独学によってこれに取り組んでしまうと、サプリメントの亡者になってしまうかもしれないという心配を感じました。
情報の出所?
前に紹介した本と、後で紹介する本とに、共通する情報の出所があり、どうも、そこが日本でのこの分野における中心となっているようです。
ですから、「はじめから、そちらの方(柏崎 良子 さん)が書かれた本を読んだ方が良かった・・・」と思いました。(予算の都合で、買っていません・・・。)
2008年05月 | 2007年04月 | 2004年4月 |
私なりの結論
「結局、日常の生活ではどうしたらいいの?」というところが、ざっと読んでしまったせいか、私には読み取れなかったため、私なりに整理してみます。
- 砂糖類の摂取は控えるようにする
- 玄米や五穀米のようなもの、或いは、ライ麦パンなど、消化分解にある程度時間がかかるようなものを取り入れる
- 様々な食材取るようにし、栄養やビタミンなどが偏らないようにする
- カフェインやニコチンなど、体内のミネラルやビタミンのバランスを崩す恐れのあるものの摂取は控えるようにする
更に簡単にして、次のような理解にしてみました。
- 昔から言われている栄養のバランスを考えた食事を取る
- 低血糖症防止のために、玄米や五穀米などのようなもの、或いは、ライ麦パンなども取り入れるようにする (納豆や煮豆を食べるのも良いかもしれませんね。)
このように考えれば、そんなに構えなくても、日常生活に取り込み易くなると思います。
【参考】
- 雑穀米
- 玄米
- 玄米パン
- ライ麦パン
- 煮豆
その他の本
次のような本も読んでみました。
色々な研究者の主張が多々引用されており、知識を求める人には好まれるかもしれないという感じはあるのですが、一般の方が入門書として選ぶには不向きな気がします。
また、情動を重視せず、「分子整合精神医学」に傾倒しすぎているきらいがあるので、心が苦しい人が読むには、ちょっと、しんどい部分があるかもしれません。
私は、読み終わった後、
- 普通の生活をしていては、精神的に問題を抱えてしまうので、それを回避するためにサプリメントを山のように飲まなければいけないのかもしれない・・・
というような気分になってしまいました。
ただ、「どんな状態のときに、どんなサプリメントを飲めば良いのか」を考えたい人にとっては、参考になりそうな本だと思いました。
心の苦しさとタバコの関係を少し書いてみたいと思います。
一般的に、「タバコには常習性があり、ニコチン中毒(依存症)になることがある」といわれています。
また、情報の出所は覚えていないのですが、「ニコチン依存症になると、心が苦しくなりやすい」という話もあるようです。
タバコをやめようとすると、タバコをやめようとするとき、「タバコをやめる苦しさ」と闘わなければならないようなところがあります。
そして、その原因は、一般的には、ニコチン中毒から離脱する際の禁断症状だと言われています。
しかし、個人的には、ちょっと違う理解をしています。
タバコ依存症を、私なりに説明すると、
- 「心が苦しい」という感覚を「タバコが吸いたいと感じている」ということにして、心の苦しさをタバコを吸うことでやり過ごしている
ですから、タバコを止められない人が、タバコを止められない本当の原因は、心の苦しさにあるのだと考えています。
禁断症状を乗り越えた後でも、再度、依存行動を再発してしまう理由も、この心の苦しさが解消されていないことによるのです。
この説明は、タバコ以外の依存症にも当てはまると考えています。
メンソールタバコの吸い過ぎに注意!?
ここからが、今回お伝えしたかったことになります。
メンソールのタバコは、吸うとスッキリするところがあると思いますが、次に当てはまる人は、逆に、「心が苦しいという感覚」を強めてしまっているかもしれません。
- メンソール系のタバコを吸っていて、一日に吸う本数が多めだと思っている人
その根拠は?
すみません、私の経験則だけです(苦笑)
書籍『脳にいいことだけをやりなさい!』
感想
『脳にいいことだけをやりなさい!』って感じの本ではありませんでした。
脳の機能については、それほど触れられておらず、どちらかというと、「漠然と行動の指針を示しているだけ」と感じるかもしれない内容だと思います。
でも、確かな理屈が背景にあって、その説明を省略しているのだろうと想像しています。
ですから、理屈っぽくなく、読みやすい本です。
悩んでいる人は読んでみると良いと思います。
このコンテンツへのピックアップ
ただ、このコンテンツのポイントは『考える』以外の対処ですので、次の点をピックアップします。
- 夜10時に寝る習慣は心の健康によい
- うつな気分のときは3日連続、夜10時に寝るとよい
- 水分は多くとる
「この本と、私のサイトは、補完し合える関係かも!?」なんて、勝手に思ったりもしています・・・(苦笑)
2009/04/08 – 13:46