心を楽にするために振り返る子育て

12. 正常に機能する家庭

ここまでに色々と説明してきたので、改めて説明する必要はないのかもしれませんが、正常に機能する家庭を定義しておきます。

嫌な気持ちを大丈夫にする方法を理解し、その時々において、両親のどちらかが、『あやし役』としての役割を果たしている家庭

正常に機能することで陥る状況

親が、子供に対し『しつけ』ということで冷静だけどわざと怒って見せているなどしながら関わっている時には、特に問題は生じないと思うのですが、『感情的』になって怒っているような状態だと、生じる問題があります。

それは、親の感情を受けとめた嫌な気持ちが回復してしまうため(子供にとっては、心が救われるという良いことなのですが・・・)、

親の怒りを買ってしまったような行動を、再び繰り返してしまいがちになり、怒りをぶつける親は「この子は、何回言っても私の言うことを理解しない!」と、怒りの感情が増大しがちになる

ということです。

また、怒りをぶつけてしまいがちな親が、この役割分担の意味について理解していないと、『あやし役』がいるから自分が感情的になってしまうことが子供に与える悪影響を軽減してくれている(『あやし役』がいるから安心して感情的になれるとも言えると思います)とは考えられず、

子供の気持ちを回復させようとする『あやし役』の親の様子を見て、「自分のことを理解せずに、子供と一緒になって、自分のことを悪者にしている」と錯覚してしまうことがある

という心配もあります。

ですから、結婚の前後、或いは、子供が生まれる前後に、この役割分担の重要性について話し合って、共通の理解としておくことが、とても大切だろうと思います。

しかしながら、このことを夫婦共通の理解としていても、その実践を妨げる要因が現代の社会には存在すると考えています。

次節では、そのことについて説明したいと思います。

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