更年期障害
説明
更年期におけるホルモンバランスの変化に体がうまくついていけないことによって、自律神経の働きに不調をきたしたり、精神的にバランスを崩したりする事があります。
ホルモンバランスの変化を緩やかになるよう調整するホルモン補充療法など内科的治療の他に、心理面のサポートが大切な場合があることも指摘されています。
更年期障害 更年期に、自律機能の失調がもとで現れる一群の身体症状をいう。
熱感、冷え性、のぼせ、動悸、頭痛、めまい、不眠、腰痛、肩こり、腹痛などがみられる。
その原因として、老化による性腺ホルモン系及び内分泌系全体の混乱と自律神経の失調といった身体的要因の他に、容姿の衰え、子供との離反などがもとで生じる精神的葛藤とそれに伴う精神的緊張といった心理的要因がある。
【カウンセリング辞典(誠信書房)、「更年期障害」より抜粋】
もう一つの説明
更年期障害に限らず、人が体や心の不調になり、その症状や状態に診断名が付けられると、医師や薬といったことにだけ頼って、それらを現実的に治療することに意識が向きがちなところがあるように思います。
確かに、それは最優先事項ですから、前向きに取り組むことが大切です。
ただ、心のことを考えると、それと同じくらい大切なことがあります。
それは、「治るまでの間、それらによって感じる苦しみやつらさとどのように向き合うか」ということです。
将来的に、病気や症状が治まる見込みがあったとしても、治るまでの間はそれらに伴う苦痛や某かの不安を感じていなければなりません。
その症状に、それらを一人きりで抱えるということは、心にとってとても負担になることです。
完治の可能性が低ければ、その負担は更に大きなものになるだろうと思います。
そんな苦しい状態の中に、自分を一人ぼっちにしても大丈夫ですか?
そんな時に感じる自分の気持ちを誰かに話して理解してもらうことは、「病気や症状を治す」ということだけを見れば、直接的な影響はないように思えるので、「人に話したところで仕方がない」というように考えて疎かにしてしまいがちなところがあるように思います。
しかし、「それまでの期間を穏やかに過ごす」ということを考えると、その時の自分の気持ちを誰かに話すことは、非常に大切なことなのです。
「~なったら楽になる」と考えて、自分が楽になることをお預けにしなくても、今は今なりに楽になれるのです。
目的や目標だけを自分にとっての価値とするのではなく、『途中』の自分も大切にしようとしてみると、これまで自分が無意識のうちに犠牲にしてきたことに気付くきっかけになります。
これまで「話したところで何も変わらない」とか「話してもしょうがない」と思っていたことを、勇気を出して誰かに話せば、途中の自分にも優しくしてあげるとはどういうことなのかを実感させてくれるはずです。