心を楽にするために振り返る子育て

10. こころ救済システム

この節では「嫌な気持ちを大丈夫にする道筋とはどういうものか? 」ということについて説明したいと思います。

10-01. 相手の感情を受けとめることによって場を収めたとき

感情的な対立が生じたとき、それを収めるために、親の感情を受けとめることで対処した時、嫌な気持ちが残ります。

また、例え、自分の気持ちを押し通したとしても、親が感情的になっている場合は、同じように嫌な気持ちが残ります。

その嫌な気持ちと一緒に過ごすことほどつらいことはありません。

この理解が非常に重要ですので、表現を変えてもう一度繰り返すと、

親に怒られることは、それでそれで嫌なことなのですが、それよりも、親に怒られたことによって生じた嫌な気持ちを抱えたまま過ごすことの方がもっとつらい

ということです。

10-02. 嫌な気持ちへの対処方法

つまり、嫌な気持ちを抱え込んだままで過ごさなければ良いということになります。

その為には、嫌な気持ちになった時は、

  • 一人っきりでは過ごさず、誰かと一緒にいる
  • そばにいてくれる人に、嫌な気持ちだということを話す
  • 自分が嫌な気持ちだということを、話した相手に理解してもらえたと、自分自身が感じる
  • そんな雰囲気の中で、しばらく時間と空間を共有してもらう

ということが大切です。

その条件が整えば、嫌な気持ちを吐き出して昇華させ、その嫌な気持ちのとりこになっている状態から、自由な気持ちへと解放されるのだと考えています。

10-03. こころ救済システム

前に書いたように、普通は、感情的になった親に、自分の嫌な気持ちを理解してもらおうとすることは難しいと思います。

また、理解してもらおうとできても、よっぽど心のことに精通していたり、悟りの領域に近づいている親でもない限りは、それを受けとめることは難しいと思います。

ですから、感情的になった親以外に、理解してもらうことを求めるしか道はないのですが、その相手が小さな子供では、それをすることはできないので、やっぱり、対象となる相手は大人でなければならないように思います。

大人でなくても、嫌な気持ちになった小さい子供でも、ある程度大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんでも、受けてもらえるかも知れません。
また、子供の年齢がある程度に達すれば、その友人でも理解してもらえるかもしれません。
ただ、基本は、大人が大きな心で受けとめてあげるというところにあるような気がします。

そこで『こころ救済システム』の部品となりうるのが

  • 感情的になった親ではないもう一方の親
  • 近所のおばちゃんやおじちゃん
  • 幼稚園の保育士
  • 学校の先生
  • ある程度の年齢に達した近所のお兄ちゃんやお姉ちゃん
  • などなど

その人たちに求められる対処は難しい事ではなく、前項の「嫌な気持ちへの対処方法」で書いた内容です。

当たり前のことですが、このシステムを機能させるは、このシステムを活用しようと思うことが、その第一歩となります。

しかし、このシステムやそれが果たす機能を知っていなければ、当然、それを活用しようなんて考えられるはずがありません。

では、いつ・どこで・どのようにして、それを知ることが出来るのでしょうか?

次節では、そのことについて説明したいと思います。

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