自傷行為(リストカット)
自傷行為は誤ると死につながる行為であることから、自殺行動と混同されやすいることがありますが、根本的に違うものだと考えています。
しかしながら、一歩間違えば死に直結してもおかしくない危険な行為であることを自覚しておかなければなりません。
自傷行為の目的(1)
過去の、「実際に言葉で伝えようとしてみても、伝えたい相手に伝わらなかった」という経験から、「言っても分かってもらえない」と感じてしまいます。
しかし、そう感じてはいても、どうしても相手の人に自分の気持ちに気付いてもらいたい時、相手の意識を自分の方にひきつける方法を考えなければならなくなります。
そんなとき、自傷行為的な行動に意識が向いてしまうことがあるのです。
しかし、この場合、目的(2)のように痛みを感じることが目的ではない為、危険性はかなり高いのではないかと感じます。
ですから、こんな行為をするほどに追い詰めないように、日頃から、話をきちんと聴いてあげることが大切です。
(ちなみに、話を聴くとは、文字通り、『聴く』ということが主体です。自分の考えはもちろん、教訓めいた話をするのも、相手の気持ちを聴くことにはつながりません。)
この動機による行動は1回やれば相手の反応が判断できるので、何回も繰り返されることはないのではないかと想像しています。
ですから、自傷行為が繰り返される場合の動機は、次の(2)(3)なのです。
自傷行為の目的(2)
自傷行為によって意識が傷口の痛みに集中することで、体の傷の痛みを感じているときだけは心の苦しみから解放されるところがあります。
自傷行為の目的(3)
自傷行為を繰り返してしまう自分を考えると、自己嫌悪に陥ることは多いと思います。
もともとあった『対象の不明確な心の苦しさ』が、この自己嫌悪によって置き替えられ、「自傷行為を止めることが出来たら、心の苦しさは解決するのに・・・」と思うことができるところがあります。
依存症的な状態
この目的の(2)と(3)は相互作用するところがあり、その結果、依存症と同じような状態に陥ってしまいます。
※詳細は、依存症をご参照下さい。
心の苦しさを解消する方法はあります。
ですから、心の苦しさからは、必ず解放されます。