心を楽にするために振り返る子育て

07. まとめ

このような個人と社会の双方の問題が複雑に絡み合っているのが、現代社会の状況なのです。

私たちは、心が苦しい人の代わりになってあげることはできません。

だから、心の苦しさは、苦しさを抱える人が、自分で何とかするしかないと信じ込んでしまっているところがあります。

しかし、苦しさを抱える人にしてあげられることはあるのです。

それは、そばにそっと座ってあげること、黙って背中をさすってあげること。

「何も出来ないから…」といって、気休め程度の意味しかないと考える人もいるかもしれませんが、そうではありません。

それこそが、心の苦しさを解決するためには、一番必要なことなのです。

  • 苦しかったら、そうしてもらって下さい
  • 苦しそうな人を見かけたら、そうしてあげて下さい

そうすれば、人の心は救われて、我々に必要な群れも、自然に作られていくでしょう。 ただ、この時も注意が必要です。

これまでの説明を読むと、正しい群れを作れば心が苦しいと感じる人はやがていなくなると理解できます。

しかし、理想的な群れを目指してしまうと、群れの『属する個体を守る』という役割を果たせなくなる恐れが生じます。

なぜなら、理想を目指せば、やがて、その群れの価値観において「理想ではない」と分類される人を、分離しようとする意思が働き始めるからです。

「理想的でなくてもいいじゃないか、体や心が弱って動けなくなってもいいじゃないか、みんなで守ってあげようよ」という雰囲気を保ち続けることによってはじめて、『理想的な群れ』になり、逆に、群れの中の弱っている人を元気にするのです。

ここは、非常に大切です。

そして、そんな雰囲気を広まることを願って『そうかそうかムーブメント』を提案しています。

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