心を楽にするために振り返る子育て

07 心を回復するために

心を回復させるためには、感情を排出する必要があります。

しかし、感情をため込んでしまう人は、これまで知らず知らずのうちに感情を排出しないように訓練してきたところがあり、自分自身の感覚や感情に気付きにくくなっています。

自分の感覚や感情を感じてしまえば、それに耐えたり、それを解消するために、何かしなければならなくなります。

しかし、自分の感覚や感情を感じないようにしてきた人の過去には、「自分の感覚や感情を解消するために何かすると、もっと自分を苦しめる仕打ちが返ってくる。だから、感じたことを解消しようとせずに、ただ我慢するしかなかった。」というような事情があります。

自分の感覚や感情に気付かなければ、つらく感じることもありませんし、それを解消するための方法を考える必要もなくなります。

また、自分に生じた感覚や感情を解消する必要がなくなるので、「その感覚や感情を解消したい」という欲求を我慢することからも解放されます。

更に、その結果、感覚や感情を解消するために行動してしまったときに返ってくる自分を苦しめる仕打ちからも、自分を守ることになるのです。

「感じない」というのは、自分の主体性が完全に封じ込められた状態で、本来の自分にとっては、決して良い状態ではありません。

しかし、「感じなければ、それよりも酷いことが起こらない」と考えると、見方によっては、「感じないことは、自分に良いことしかもたらさない最善の対処」ということができます。

ですから、「自分が何かを感じれば酷い目に合わせられる」という事情がある場合、「自分の感覚や感情を感じなくすることが、自分を守ることになる」ということは理解して頂けると思います。

このように自分の感覚や感情に気付けない状態に陥ってしまっていたとしても、自分の感覚や感情を安心して表現できる相手が居れば、そのような人との関わりの中で、自分の感覚や感情を感じ、気付き、表現できるようになっていきます。

そのようにして人と関わる中で、心を回復する機能は正常に働くようになり、やがて心の苦しさから解放されていきます。

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