心を楽にするために振り返る子育て

11 「しあわせ」について

ここで少し話がそれますが、「しあわせ」について説明します。

人生に大きな目標を設定して、その実現に向けて努力しながら過ごすことは、日々の暮らしを有意義なものにしてくれるところがあります。

まだ目標が実現されていなくても、目標に向かって進んでいると思ったり、目標が実現したところを想像したりすると、心に淡い幸せのような感覚が生じます。

また、目標を実現できたときには、大きな喜びを味わえると期待できます。

このように、人生の目標を持つことは、様々な幸せをもたらす可能性を生み出すところがあります。

ただ、幸せを手に入れるために、この方式にこだわり過ぎると、日々の生活を、目標を実現するための犠牲にしてしまう可能性があるので、注意が必要です。

また、誤って「人生に目標がなければ幸せになれない」とか「目標が実現できなければ幸せになれない」と考えてしまうと、その裏返しとして、現状の自分は幸せではないと思い込んでしまうこともあります。

このように人生の目標にこだわり過ぎると、人生から幸せを奪い取られてしまうこともあるのです。

人生の目標を持つことだけが、幸せを手に入れる方法ではありません。

今の自分を幸せにするために、今の自分にとっての幸せを、今、手に入れる方法があるのです。

それは、「日々の暮らしの中で、その時々のちょっとした自分の望みに気付き、その時に実現していく」ということです。

「病気になってはじめて健康のありがたさが分かる」ということがありますが、「ちょっとした望み」はそれに似たところがあります。

例えば、次のような事です。

【例:望めば叶えられるちょっとした望み】

○空腹を感じ、食事をする

○食べたいと思ったものを食べる

○水を飲みたいと思って、水を飲む

○お風呂に入りたいと思って、お風呂に入る

○入浴剤を入れたいと思って、入浴剤を入れる

○もう満足だと感じてお風呂から上がる

○眠気を感じたので、昼寝をする

○楽な姿勢で寝られるように寝返りを打つ

○深く息を吸いたいと感じ、深く息を吸う

○寒いからコートを着る

○暖まりたいと思ってストーブにあたる

○かゆみを感じたところをかく

○座りたいと思って座る

○海を見たいと思って海を見に行く

○着る服を自分で決めて着る

○一人でいたくないときに、誰かに「一緒に居て欲しい」と依頼し、誰かと一緒に過ごす

●「嬉しい気持ちを聞いてもらいたい」と望み、誰かに「話を聞いて欲しい」と依頼し、気持ちを話して一緒に喜んでもらえる

●「悲しい気持ちを聞いてもらいたい」と望み、誰かに「話を聞いて欲しい」と依頼し、親身になって話を聞いてもらえる

これらは、その実現のために、ちょっと手間が掛かることもありますが、ほとんどが思ったり感じたりしたときに、直ぐにでも実現できることです。

そして、そんな些細なことが実現できたとき、私たちは、大いに満たされるのです。

日々の生活の中で、そのような自分に生じているちょっとした望みに気付いて、それらを自分にとって大切なこととして拾い上げ、1つ1つ実現しながら、たくさんの小さな満足で自分を包んでいくことが、日々の幸福感につながります。

また、そのようにしている状態を「自分らしく生きている」と表現するのだと思っています。

このようなことから、幸せを感じるためには、「その時々の、自分のちょっとした望みにきちんと気付き、それを些細なことだと疎かにせず、1つ1つ丁寧に叶えていく」ということが大切だと分かると思います。  

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