05.行動の意味
5.行動の意味
動物は、植物のように自分で栄養を作ることが出来ません。
そこで、動物にとって、自分で栄養(食物)が獲得できるようになるということは、存続のためのもっとも重要な条件であると言えます。
赤ちゃんの時期は、一つのところにとどまっていても母親から乳を与えられますが、じっとしていては生存に充分な食料は得られないときがやってきます。
だから、動物にとっては、自ら行動するということはとても重要な意味があるのです。
アヒルのひよこが、一番はじめに動くものを見たとき、それを親と認識する本能があるといわれています。
本当に「親」と思っているかは、ひよこに尋ねてみなければ分からないことですが、一番はじめに見た「動くもの」と同じように行動するということは確かなようです。
ではなぜ、このような本能が必要だったのでしょう?
「ひよこがとりあえず動く」ということが、重要な事だからだと思います。
動くと、いろいろな出来事に出会います。 そして、その経験として身体的に感じた快・不快が記憶として蓄積して、ひよこは自分がこれから生きていく世界を把握していくのだと思います。
人類も、特別の意味を持たない行動をして、その経験を快・不快として認識しながら、自分の生きる世界を把握していく時期があると思います。
そのような学習を継続する中で、行動と快・不快の経験や客観的事実等が複雑に絡みあって、感情といわれているものに発展していくのではないかと思います。