機能不全家族
機能不全家族の一般的な説明は、他のサイトの説明を参考にして下さい。
何の機能が不全なのか?
家族の形態や行動を細かくとりあげれば、いろいろとあると思いますが、その辺の検討は割愛します。
で、根本は何かというと、それは、”感情を受容する機能”が不全だと言っても良いのだろうと考えています。
- 嬉しいときに、嬉しい気持ちを受けとめることができない。
- 悲しいときに、悲しい気持ちを受けとめることができない。
などなど・・・。 これが家族という構造の中で実現されていないということです。
つまり、昔から言う『父親と母親の役割分担』の問題なのです。
具体的には・・・
例えば、父親に「勉強しろ!」と怒鳴られたとします。母親が、「お父さんの言う通りよ」とか、同じように「勉強しなさい!」というような感じです。
逆に、母親に「勉強しろ!」と怒鳴られて、父親が、「お母さんの言う通りにしなさい」とか言っても同じです。
また、父親か母親のどちらかに怒られて、もう一方の親が、その子供に関わらず放置しても同じです。
いずれの場合も、子供は、怒鳴られてつらくなった気持ちを、一人で我慢しなければならなくなります。
なぐさめ役(あやし役)がきちんと存在すれば、多少失敗して、感情的なって怒鳴りつけても、そんなに心配はいらないのだろうと考えています。
構造的な問題
なぐさめ役 (あやし役)不在の状況は、片親の時は、構造的に陥り易いので注意が必要です。
ただ、片親でなくても、サラリーマン型の仕事をする父親の家庭の場合の母親も、近い状況かもしれません。
(また、共働きの時も外でのつらい経験に対する なぐさめ役 (あやし役)が不在になりやすいので気をつけてあげて下さい。)
それは、一人二役をしなければならないということです。 例えば、子供を「勉強しなさい!」と怒鳴ったとします。
そして、つらい気持ちになった子供に対して「怒鳴られてつらかったね」と、怒鳴った本人が抱擁することは、出来ないのが普通だと思います。
ここは非常に難しいところです。 親も、感情的になりたい時もあると思います。
それを抑えなくてはいけないと思うと、我慢が積もり積もって精神的負担がすごく大きくなります。
でも、怒鳴ったら、子供の なぐさめ役 (あやし役)には誰がなってくれるのでしょう・・・。
おじいちゃんやおばあちゃんと同居していたり、地域の親密さがあれば、おじいちゃんやおばあちゃん、隣のおじさんに「どうしたの?」と声をかけてもらって、気持ちを聴いてもらえたかもしれません。
(兄弟姉妹では不足です。ここは、大人の受容が必要なところです。)
母親の気持ちも、子供の気持ちも、救われ難い社会。 そんな問題が今の日本にはあるのです。
余談ですが・・・
このような意味では、今の日本は、機能不全社会といっても良いかもしれません。
機能不全学校教育、機能不全職場、機能不全地域、機能不全マスコミ(機能不全評論システム)・・・・
まず、学校において、叱り役の先生となぐさめ役(あやし役)の先生の存在が、全ての生徒に感じられるような仕組みを作るところからはじめなければならないと考えています。
そして、社会に影響の多いマスコミも、どんな事件についても、 叱り役となぐさめ役(あやし役)の評論家 を必ず用意して、話し合うところを世の中の人に見せるようにすれば良いのです。