心を楽にするために振り返る子育て

パニック障害

説明

一般的な説明

パニック障害 恐慌性障害ともいい、不安神経症の内で発作性不安を主徴とする型のこと。

明らかな誘因もなく、息切れ、動悸、胸痛、発汗、死や病気への恐怖などの激しい精神身体症状の発作を反復性に生じ、慢性に経過する疾患である。

症状の再発を恐れる予期不安を伴うことが多く、更にそれが発展し、広場恐怖にいたることも多い。

精神科ポケット辞典[新訂版](弘文堂)、「パニック障害」より抜粋】

内科的診断で身体的な異常がない時は、精神科や心療内科の受診を検討することも大切です。

もう一つの説明

症状の「もう一つの説明」

実際に、パニック障害を経験してみると、

  • それまでは何の問題もなかったのに、突然、そんな病気を発症してしまった
  • 俗に言われている『パニック障害』が、自分の身に、実際に起こっている

といった印象を受けてしまうところがあります。

そして、そのような状況に陥ってしまうと、「自分に、一体何が起こっているのかが理解できずに、混乱してしまうことも多いと思います。

『パニック障害』という症状は、以前に比べればかなり一般的に知られるようになっているのですが、それでも、 と理解できるまでには、相当苦労するところがあると思います。

これは、特に、精神症状は、身体症状とは違って、その原因を視覚的な客観的事実としてとらえることは難しいことによります。

  • 本人が、「自分はその症状や状態に陥っている」と認める
  • 医師や周りの人が、「その人がその症状や状態に陥っている」と認める

という2つの認識の一致が、その症状や状態と向き合い始める第一歩となるのです。

『心の苦しさ』に気づくこと

この2つが不一致のとき、『疾病利得』ということが意識されることになります。

また、一致したときは、『精神症状を発症している』ということになります。

しかし、精神的な部分に取り組み、解決しようとするときは、このいずれの言葉にもとらわれてもいけません。

  • 『心の苦しさ』に気づき、『心の苦しさ』を解決しようとすること
  • 心の苦しさを解決できなくなった事情を理解すること
  • その事情から解放された世界(人間関係)が、自分の周りにも実際に存在することに気づくこと

が大切です。

現在の症状や状態を問題視してばかりいては、そこに至った事情や背景をには意識が向くことはありません。

日本の文化的背景も影響していると思われるのですが、「まさか自分がそのような精神的な症状や状態に陥るはずはない!」というように、自分には無縁のものだと思おうとして、「心が強くなったら乗り越えられるかもしれない」と、一人孤独に精神論的な解決を目指してしまいがちなところがあります。

本人は心の苦しさを一人で抱え込もうとせず、また、周りの人は心の苦しさを一人で抱え込まそうとせずに、お互いに、その『心が苦しいという現実』を、受け入れることが大切です。

お互いに受け入れるだけで、他の問題を解決しようとしなくても、精神的な症状や状態は解消していくものです。

【参考】

疾病利得

パニック障害の背景

私は、パニック障害の原因を、人間不信にあると考えています。

パニック障害の原因を『人間不信』と言われても、ピンとこない人は多いと思います。

でも、次のようにと問いかけてみると、思い当たるところがある人は、きっと、多いはずです。

  • つらい気持ちになったりや困難な状況に直面した時に、「一人で耐えるしかない」とか「自分の力で乗り越えるしかない」という思いはありませんか?

何らかの症状が起きそうに思ったり、苦手な状況に遭遇しそうに思ったりして、不安が生じたとき、一人きりで何とか解決しないといけないというような孤独感があると、意識をその不安ばかりに集中させてしまいます。

その結果、不安な気持ちをエスカレートさせてしまい、予期不安と呼ばれる状態にまで高めてしまうのです。

ですから、パニック障害という言葉を

不安を一人抱え込んでしまって、大きくしてしまいやすい傾向がある

と、理解し直してみると良いでしょう。

そう考えてみると、解決の方向性が見えてきます。

解決の方向性

まず、

なぜ、「困難には一人で立ち向かわないといけない」と信じ込んでしまったのか?

という背景を理解することが大切です。

そして、パニック発作だけでなく、日常の些細な不安でも、身近な人に頼ってみようとすると、自分の周りには、自分のことを助けてくれる人がいることに気付きはじめるはずです。

些細なことから、他人を頼る練習をしてみると良いと思います。

「こんな簡単なこと、人に相談しにくい」とは考えがちかもしれませんが、相手の立場に立つと、逆に、「簡単なことの方が気軽に相談にのりやすい」というところがあります。

  • こんな些細なことを人に頼めない
  • 自分の担当範囲の問題は、自分が解決すべきで、他人を頼っては申し訳ない
  • 自分の責任で生じたこんな大きな問題で、他人を頼ろうとしてはいけない
  • それをやるのは自分しかない

などと、常に、自分を孤独に追いやっていたことに気づいてください。

ということも多いとは思います。

でも、それを実施するに至るまでの自分を、誰かに支えてもらっても、何の問題もないのです。

結局、やるのは自分自身なのですから! この『誰かに支えてもらう』ということがうまくなっていけば、孤独という不安を手放し、安心感を手に入れることにつながるのです。

自分は、どのようなとき、どのようにしてもらえたら、支えてもらえたと感じることができるのだろう?

まず、この具体的な内容を、を真剣に考えてみて下さい。

【参考】そうかそうかムーブメント 

身近な人に、自分の気持ちを話してみたい人がいれば、話してみると良いでしょう。

もし、身近な人には話しにくいという感じがあれば、日常生活には全く関係の無い心理カウンセラーなどを話し相手として選ぶのも一つの方法です。

私の体験談

ちなみに、私は、パニック障害で苦しんだことがあります。

何年もの間、結構、長く苦しみました。

一生解決しないような感じがして、とても辛かったですが、人と深く関わり自分の苦しみを話した時、それを受け入れようとしてくれるみんなの暖かさの中で、パニック障害である自分を受け入れる事ができるようになっていきました。

そして、人との関わりの心地良さを信じる気持ちが増していたとき、 いつの間にかパニック症状はなくなっていました。

そんな経験から、自分の気持ち、特に「人には話せない、話したくない」と思えてしまっている気持ちを、正直に話せる人間関係をもつことは、自分の妄想に気づき、心が自由になる事を助けてくれたような気がします。

そのような緩やかな解決もありますし、カウンセリングを活用すれば、もう少し効率の良い解決も期待できると思います。

とにかく言えることは、「一人きりでは、決して悩まない」ということです。

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※ 関連書籍は、その内容を確認したわけではありません。参考程度に掲載しています。
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