うつ状態(抑うつ神経症)
説明
些細な事柄で抑うつ気分に陥りやすく、その傾向が継続します。 抑うつ症状を 主としまずが、重篤な症状を呈する事は少なく、不安症状や心気症状が目立ち、自責的な傾向が少ないと言われています。
内因性のうつ病は、日内変動が大きく、早朝覚醒の傾向があるとされていますが、抑うつ神経症は、日内変動が乏しく入眠困難を呈するところにあると言われています。
もう一つの説明
うつ状態は、次のように表現できるのではないかと考えています。
少し乱暴な表現をしてしまうと、次のような状態と言っても良いのだろうと思っています。
- 頭(思考)は、特定の価値観によって洗脳されてしまっている
- 心と体は、洗脳によって動機付けられた行動に、着いていけなくなってしまっている
もともとは、何でも良い
大自然をイメージした時には、「~しても良い」ということはあっても、「~しなければならない」ということは何もありません。
逆に、「~しなくても良い」ということはあっても、「~してはいけない」ということは、犯罪・類犯罪行為以外にはありません。
また、ある特定の価値観において、「~した方が良い」と判断されることでも、別の価値観においては、「~しなくても良い」と判断されることは多々あります。
つまり、本来は、特定の価値観による判断や行動や評価などにこだわる必要はなく、極論ですが、「何らかの価値観に属しているのなら、犯罪・類犯罪行為以外であれば、何でも良い」ということになるのです。
原動力が無くなっている
そう考えると、外から与えられる行動や判断の基準が曖昧になってしまいます。
そこで『生きる原動力』となってくれるのが、自分自身の中にある「~したい」という気持ちなのです。
その原動力となる部分を、ある特定の価値観によって抑え込もうとすると、元気がでなくなるのも当然のことです。
「~しなければならない」とか「~してはならない」といったことを、原動力にしようとしてみても、ブレーキにこそなれ、アクセルにはなり得ないのです。
自分自身の、『本来のアクセル』を手に入れるために
ですから、本来の自分自身のアクセルを手に入れるためには、これまで、アクセルと思い込んでいたブレーキを手放す必要があります。
つまり、これまで囚われていた価値観は、「実は、自分が本当に望んでいるものではなかった」という事に気が付くことができれば、本当の気持ちが自由になり始めるきっかけになるということです。
価値観の異なる様々な人と関わる
その為には、価値観の異なる色々な人とコミュニケーションを持つようにすることが大切です。
いきなり全く価値観の異なる人と関わりをもつというのも、ショック療法的には有効かもしれません。
しかし、はじめは、価値観に対してニュートラル(中立)の人とのコミュニケーションを考えた方が安全だと思います。
心理カウンセラーは、そのような人の一人として候補に挙げても良いでしょう。
また、本当に悟りを開いて、価値観から自由になった和尚と話をするのも一つの方法です。
更に、もう一つの説明
そもそも、「うつ状態」になるのは悪いことなの?
『うつ状態』について、もう一つ、別の見方があります。
それは、
という見方です。 バイオリズムを思い出してみて下さい。
私は、詳しいことは知らないのですが、
というようなことを説いているのだと理解しています。
バイオリズムのように、事前にグラフで見せられると、私たちは割り合いその波を受け入れ易いところがあるようです。
感情や気分も、基本的にはこれと全く同じことがいえるのです。
なぜ、当たり前のことを、当たり前のこととして受け入れ難いのか?
しかし、感情や気分の波には、バイオリズムと大きな違いがあります。
それは、感情や気分の波を、客観的に知ることは出来ないということです。
その波の中に身を置いて体感するしか、それを知る方法はありません。
しかし、客観的に眺めてみれば、感情や気分は波なのです。
波が下向きになっているとき、頑張らずにやり過ごす事ができれば、やがて波は自然に上向きに変わります。
(もちろん、上向きになっているときは、やがて、下向きにも変ります。)
「なぜ、自然に波が上に向くまで、待つことができないの?」
それは長く体感していたくないもの
そこに、まず、個人個人の、「つらい気持ちを感じ続けることから一刻も早く抜け出したい」という思いがあります。
そんな思いが、当然通過すべき状態である『波の下の部分』は良くないものと認識し、その反対である『波の上の部分』に、意識を集中させてしまいます。 その結果、波の下の部分を「如何に上手にやり過ごすか」とは考え難くなってしまうのです。
対処方法を知らない
これまで、『常に波が上を向く』ように頑張ってばかりで過ごしていると、『下向きの波がなかなか上に向いてくれない』という状況に直面したときに、どうして良いのか分からなくなってしまうのです。
波が下向きの時期に、一人っきりで過ごすのはとてもつらいことです。
話し相手が居なかったり、つらい気持ちを誰かに話し難い状況であったりすれば、「早く楽な気持ちになりたい!」と、先を急ぎたくなる気持ちも分かります。
社会の雰囲気・日本の文化
次に、社会の雰囲気もあります。
日本の精神論的な文化も影響しているかもしれません。
『強い心』ということばかりを、やたらと意識したり主張したりするようなところがあります。
しかし、それを目指して急げば急ぐほど、回復は遅れるのです。
そんな時期を、気分の波なりに頑張らずにやり過ごすための助けとして、心理カウンセリングを活用することができます。
- 症状のもう一つの説明
- うつ病
PHM15_0597
- 躁鬱(そううつ)病
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- 心理百科事典
- 躁(そう)状態・鬱(うつ)状態・躁鬱(そううつ)状態に関する仮説:
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