01. 原因を求める方向性
人が悩んでいるときに、悩みを解決するための原因を追究する方向性は、大きく次の2つに分けることが出来ると考えています。
- (1)自分を責める
- (2)自分以外(他人や環境)を責める
これは、原因を追究するときに、意識がどこに向かいがちかという傾向性の違いによって変わってきます。
しかし、『苦しみから抜け出す』ということを優先に考えた場合、この傾向性の違いは全く重要ではありません。
『原因を考えてしまう』ということは、心が何かを感じているということです。
ですから、原因を探すよりも前に、まず、自分がどのように感じているのかに意識を向けることが大切なのです。
(2)の傾向があるときには、特に意識して下さい。
- 悩みを解決しようとする上で、どこに問題や原因を見つけようとするかは、全く重要ではありません。
- 問題や原因探しの前に、まず、自分が何を感じているのかに気付くこと大切です。
※このサイトに設置している心理テスト「悩み解決へのヒント」は、上図の点線のところに気付いて頂けることを願って設けています。 人の心を分類する事が目的ではありません。
【補足】 01-01. 原因を求める方向性
私たちは、無意識のところで「他の人も自分と同じような世界観を持っているだろう」と漠然と感じているところがあります。
確かに、目に見えることや、一般的に知られていることなどについては、ほぼ同じような認識をもっているといえるところがあります。
このような『誰もが同じ世界で生きている』という雰囲気は、私たちが心に苦しみを感じたとき、その原因をどこに求めれば良いのかを分からなくさせてしまいます。
しかし、心は苦しいと感じているのですから、原因が分からないからといって、そのままにしておく訳にはいきません。
原因が分からなければ、心の苦しさを解決できないからです。
苦しみを抱え続ける人生を送り続けなければならないということになってしまうからです。
そこで、苦しみを解決する為に、
- 他の人と違いがあると考えられること
の中に、その原因を探そうとするようになります。
そして、その中に、何が何でも原因を見つけ出さなければならない心境にも、追い詰められてしまうのです。
【補足】 01-02. 原因を求める方向性に違いが生じる可能性の考察
原因を求める方向性は、生まれ育った家庭の中で自分に最も身近だった人の行動パターンに影響されるのではないかと考えています。
(1)自分を責める傾向性があるとき
- 身近な養育者を、もう一人の養育者が責める
- 身近な養育者が、自分の気持ちを表現しない
- 身近な養育者が、自分自分自身を責める
- 身近な養育者が、子供のことを責める
- 子供に状況を理解させない
(2)自分以外(他人や環境)を責める傾向性があるとき
- 身近な養育者が、もう一人の養育者を責める
- 身近な養育者が、もう一人の養育者の不平不満を子供に言い聞かせる
- 身近な養育者が、社会や環境に対する不平不満を子供に言い聞かせる
- 養育者たちが、自分の本当の気持ちを相手に伝えない
(注)これは、ただの推測に過ぎず、統計を取ったわけではありません。
(1)、(2)のどちらにしても、
- 「自分の願いを自分の力で叶えられる」と信じること
- 自分の望みが他人や社会に受け入れられること
を諦めているという共通点があるといえます。
本文の方でも書きましたが、はじめの段階では、原因を追究することばかりに意識を向けるのではなく、原因を追究したくなるような何かを自分が感じているということを、きちんと自覚できるようになって下さい。